基本的にパニック映画とは、ある程度密閉された空間で起こる感染が多いです
その区域での感染をいかに抑えるのか、あるいはそこからいかに脱出するのか、などが描かれます
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その密閉空間を列車とした、いわゆる列車パニック映画における代表作が
『カサンドラ・クロス』(1976年公開)
という作品です
『カサンドラ・クロス』を手掛けたジョージ・P・コスマトスは他にも、シルベスター・スタローン主演の『ランボー/怒りの脱出』などを手掛けています
【画像:ランボー – 作品 – Yahoo!映画】
【画像:渡辺謙、「壁」を乗り越えるために大切にしてきた“オープンマインド“】
この作品は、同じくスタローンが主演をし、日本では渡辺謙が彼の声を拭き替えたことで有名な『ランボー』の続編にあたります
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『カサンドラ・クロス』
この作品はパニック映画ですが、『ランボー/怒りの脱出』のような目を引くアクションがメインの作品ではありません
【画像:ランボー 怒りの脱出 : 作品情報 – 映画.com】
パニックだけでなくサスペンス要素も含んだ深い内容の映画となります
この映画の製作国の一つ、イギリスの映画の様相を色濃く受け継いだ結果といえるでしょう
『カサンドラ・クロス』
この映画は出演している俳優にも有名どころが多いです
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【画像:カサンドラ・クロス』、疾走する憂愁のグランドホテル | REVIEW | KING MOVIES】
神経外科医役を演じたリチャード・ハリスやその元妻役のソフィア・ローレン、物語の途中で劇的なシーンを演じるリー・ストラスバーグなどとても豪華です
なおストラスバーグはメソッド演技法を確立したことでも有名です
リー・ストラスバーグは俳優としての出演は8作に留まる一方、監督としてはニューヨークのアクターズ・スタジオで芸術監督をするなど、有名な人物です
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【画像:草刈正雄の息子の転落死の死因は薬物か事故か?羽賀研二と意外な関係も?】
このアクターズ・スタジオで彼の演劇指導を受けたのは、マーロン・ブランドやマリリン・モンロー、ジェームズ・ディーンなどそうそうたるメンツです
リー・ストラスバーグの有名な教え子の一人であるジェームズ・ディーン
彼に影響を受けた日本の名優として勝新太郎が挙げられます
【画像:故ジェームズ・ディーンが新作「出演」へ…ファン反発|シネマトゥデイ】
【画像:兄の遺骨を食べ、薬物をパンツに隠す 令和に語り継がれる「勝新太郎伝説」】
勝は幼少期、アメリカで大ブレイクするとされていたディーンを生で見て
「彼が大ブレイクできるなら、俺でもできる」
と思ったらしいです
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多くの名優が役を演じた『カサンドラ・クロス』
この作品はスイス・ジュネーヴにある国際保健機構本部、そこでテロ事件が発生するところから始まります
【画像:「カサンドラクロス」のネタバレあらすじと結末、みんなの感想(1件)】
【画像:The Cassandra Crossing (1976)】
テロリスト3人は、アメリカセクションの爆破を目標に掲げてここへ侵入し、結果ガードマンたちとの銃撃戦へと発展します
これが悲劇の始まりでした
『カサンドラ・クロス』
ガードマンとの激しい銃撃戦の結果、テロリストのうち1人が死亡し、残った2人は色々な細菌類が保存されている立ち入り禁止区域に逃げ込みました
【画像:「カサンドラクロス」のネタバレあらすじと結末、みんなの感想(1件)】
しかしそこでも銃の撃ち合いが始まり、流れ弾によって棚にあったビンが割れ、内部の液体がテロリスト2人にかかってしまいました
『カサンドラ・クロス』
割れたビンの中身を浴びた2人のテロリストのうち、1人は負傷していたため、無傷のもう1人は彼を見捨てて逃走しました
【画像:軍事用細菌兵器のパンデミック描写に!武装した白い防御服とガスマスク姿にビビったね!】
見事逃走したテロリストは、ジュネーブ発ストックホルム行きの大陸横断列車へと駆け込み、取り残されたもう1人は、軍に捕らえられた後感染症で死亡しました
『カサンドラ・クロス』
捕えたテロリストの死亡
これにより、事態収束のため派遣されたマッケンジー大佐は情報源を失いました
【画像:カサンドラ・クロス – シネマ一刀両断】
しかし死亡した彼の所持品から、どうやら逃亡したもう1人のテロリストが大陸横断列車に乗り込んだ可能性に気付きます
乗車リストに目を通した大佐はある人物に目をつけます
『カサンドラ・クロス』
逃亡したテロリスト、もとい感染者の居場所が大陸横断列車であることに気付いた大佐
彼は機構の主任医師であるシュトラドナーとともに、乗車リストに乗っていたチェンバレンという男性に連絡をとります
チェンバレンは著名な精神外科医で、たまたまこの列車に乗っていました
『カサンドラ・クロス』
チェンバレンへ「重症の感染症患者が乗車している」ということ“だけ”を伝えた大佐
「何をすればいいのか?」と彼に聞かれ、患者の発見・治療と二次感染の患者が出た場合の対処を任せました
【画像:「カサンドラ・クロス」観たよ~♪ | 映画バー まったりとMIKA’S BAR】
しかしこの細菌には、コロナウイルスと同じく、明確な治療法がなかったのです
#コロナ
『カサンドラ・クロス』
明確な治療法や、その細菌が流失した経緯などを伝えられないままに、とりあえず患者を探すチェンバレン医師
【画像:The Cassandra Crossing (1976)】
ようやく貨物車でテロリストを発見した時、もう彼は病原菌による症状を発症していました
この時点で1000人あまりの乗客、その全員に感染の疑いがある状況となりました
『カサンドラ・クロス』
大佐は憲兵隊たちを送り込むために列車を、当初止まる予定のないニュルンベルクへ誘導します
ニュルンベルクに列車が到着すると、アメリカ軍のヘイト医療チームが一気に乗り込み事態の収拾にあたりました
【画像:The Cassandra Crossing (1976)】
その異様な状況と感染情報の通告により、乗客はパニックとなりました
#ペスト
『カサンドラ・クロス』
ニュルンベルクで兵や医療チームの派遣した次は、ポーランドのヤノフへと列車を動かす作戦を立てた大佐
【画像:カサンドラ・クロス』、疾走する憂愁のグランドホテル | REVIEW | KING MOVIES】
しかしリー・ストラスバーグ演じるカプランは、この事実を知って暴れ出します
第二次大戦中ヤノフの強制収容所で妻子を殺されたため、「そこへは死んでも行きたくない」と
『カサンドラ・クロス』
ヤノフへ行くことを拒んだカプランでしたが、結果兵隊に銃撃を受け負傷し、そのまま列車へと戻されてしまいます
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他にも酸素切れを防ぐためにライターなどの火器も取り上げられた乗客たち
そしてアメリカ軍兵士達と酸素供給装置を乗せ、列車はポーランドに向け発車したのでした
『カサンドラ・クロス』
ポーランドへと進む列車の中では二次感染が出ていました
しかも人質事件などの厄介ごとも発生し、収拾に追われるチェンバレン
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しかし二次感染をしたはずの乗客たちの中から、なんと症状が消える者が多く出てきたのです
チェンバレンはこのことを本部の大佐へ伝えようとしました
『カサンドラ・クロス』
治る患者も現れていることを伝えたチェンバレンでしたが、大佐はヤノフの強制収容施設へ列車を進める、という意向を変えません
【画像:カサンドラクロスを見ての疑問 | GG – アメブロ】
ヤノフへ行くには「カサンドラ・クロス」という橋梁を通る必要があります
しかしこの路線は随分前に廃線となり、橋には崩落の危険性がありました
『カサンドラ・クロス』
崩落の危険性が高い鉄橋を、是が非でも渡らせようとしている大佐にチェンバレン医師は不信感を抱きます
【画像:カサンドラ・クロス(1976) | FROM SCRATCH – アメブロ】
彼が列車を、その中に乗っている人間たちもろとも橋の下へ落とし、事実を抹殺するつもりなのではないかと
そして実際大佐は、初めからそのつもりで計画を実行していました
『カサンドラ・クロス』
大佐の思惑に気付いたチェンバレンは列車を止めるための行動に移ります
まずは機関室へと行き、順当に列車を停止させようと試みますが、失敗します
【画像:カサンドラ・クロス – シネマ一刀両断】
大佐の命令を受けた憲兵隊が行く手を阻んだのです
自分の命よりも大佐の命令に重きをおく彼らを突破することはできませんでした
『カサンドラ・クロス』
次にチェンバレンは列車を切り離す方法を考えます
機関部分、つまり先頭車付近へ行けない彼らでしたが、その連結部を切り離せばやがてエンジンのない後方の車体は止まります
【画像:カサンドラ・クロス – シネマ一刀両断】
しかし走っている列車の連結を解くには床に穴を空けて連結部を解除、あるいは破壊する必要があります
『カサンドラ・クロス』
連結を切り離すためにガスを充満させ爆破することにした乗客たち
しかし火器がありません
困った乗客のもとへカプランが現れます
【画像:細菌兵器に汚染された列車で起こるパニックサスペンス映画】
絶対にヤノフへ行きたくない彼は、ガスが満ちる車両で隠し持っていたライターに火をつけ自爆します
結果列車は切り離され、数名が生還するのです
『カサンドラ・クロス』最大の見どころは脱出劇ではありません
列車が鉄橋から落ちたことを確認した、そのあとの大佐とシュトラドナー、スタック少佐のやりとりにあります
【画像:The Cassandra Crossing (1976)】
まず大佐はシュトラドナーに口止めをします
なんとそれは互いの目の部分だけをアップにして交互に写すという斬新なシーンでした
『カサンドラ・クロス』
シュトラドナーとのやりとりを終えた大佐にスタック少佐は
「疲れたでしょうしこれから一杯行きますか?」
という趣旨で声をかけます
【画像:The Cassandra Crossing (1976)】
これを断って去る大佐が暗い廊下の奥へ消えたあたりで、少佐は“誰か”と電話を使って…
大佐たちの現状と監視続行
を伝えて映画は終わります
『カサンドラ・クロス』
このような異常な出来事のあとでも、飲みに誘うという行為が成立すること
このような異常な監視のし合いが当たり前に行われること
この映画のラスト15分には、これらの深い皮肉が描かれているのです
【画像:The Cassandra Crossing (1976)】
私は派手なアクション映画よりも、深い考察ができる映画に惹かれるのです
今回は、細菌パニック映画の金字塔の「カサンドラクロス」に過去投稿した内容をまとめました。
以下ブログにもまとめました。
#カサンドラクロス#細菌#感染#国際陰謀#パンデミック#コロナ#社会サスペンス